いそのんはね、和歌山生まれの海っ子なの。
そんなに深くないところで素潜りをするのが大好きなの。
アザラシみたいにチャポンってもぐって、岩のスキマを覗いたり、海藻をかきわけたり。
そんな時に時々出会うのが蛸。マダコ。
岩のスキマに潜んでいて、目だけがピカーって光ってるのね。
そう。でね、いそのんはちょっかいだしちゃう。
つっついたり、脚をひっぱったり嫌がらせだね〜(笑)。
そしたらね、石をもってガードしたり、あっちもこっちの手をひっぱったり。
面白いの。
でね、そのあと、ほったらかしにしてちょっと離れてみてるとね、頭の中で声がするのよ。
「あいつ、どっか行った?」
「いないみたいだな」
「ここは危ないなあ」
「いないうちにどこかに移動しよう」
でね、穴から出てきちゃう。
そしたら、いそのん「ばあー!」って出てくとね。
あたふたしちゃうのね。
蛸にしたら、迷惑この上もないってところだろうけど、いそのんは蛸とは気持ちが通じてやりとりできちゃう気がして、蛸と遊ぶのはとっても好きなの。

「こんにちは蛸さん。今日はあの人間来ました?」
「まだ見てないのん。迷惑な人間なのん」
マダコは、いろんなところで逢えるのだけど、昨年兵庫県の日本海側で見た蛸さんが、海の中で「捕まえないでね、食べないでね」の御手手くるくる踊りをしてくれたことが、とっても印象にのこってます。
その蛸さん、あまりにステキで、食べれなかったよ。
海の底に沈んでね、身体が浮かないように石を抱いて横になる。
そして息が続くあいだじっと周りを観察するの。楽しいよ。
息を長く止めるコツは穏やかな気持ちでいること。
















































